2010.10.25更新
優しさ、その先には・・・!?
『優しい人』って、魅力的ですよね・・・。
他人から魅力的に見られたいかどうかは別にしても、
ボク自身、人には、優しくありたい・・・と思っています。
THE BLUE HEARTSの“人にやさしく”、
ボクの大好きな曲です。
関係ないか・・・(苦笑)
ただ、色々な人に接しながら、様々な場面に遭遇すると、
そう、いられる時と、そうでは、いられない時があります。
ことさら、仕事上ですと、そこには責任が伴いますので、
優しさだけでは、なかなか乗り越えられないことも多く・・・。
先日のことですが、
ボクの事務所で債務整理手続きをご依頼頂いている方に、
「辞任予告通知」を発送しました。
そう・・・、
「手続きの途中にも関わらず、もう止めさせて頂きますね!」
という内容の通知です。
その通知を、ご依頼者さんのご自宅宛てに、書留郵便で送りました。
「辞任通知」、「辞任予告通知」の発送
これまでにも経験はありますが、
これは、ボクにとっては、とても残念な最終手段です。
そのご依頼者さん、
ご相談頂いたのは、もう約1年以上前になります。
最初にご相談頂いたときも、時間を掛けて、考えて頂きました。
どう考えても、
簡単には、受任させて頂ける状態ではなかったのです。
メールでやり取りをしながら、
せっかく、事務所にご来所頂いたにも関わらず、
「もう一度、ご自宅に帰ってご家族にご相談して下さい。
そのうえで、家計のやり繰りを再検討してみて下さい。」
と申し上げました。
そうでもしなければ、
今後の手続きは難しいと判断させて頂いたからです。
ご依頼者さんは、
どうしても、“任意整理”手続きをご希望されていました。
それは、その方の資産状況を考えても、致し方ないことでした。
不動産をお持ちでした。
そして、その不動産は、とても思い出深いものとのことでした・・・。
「絶対に手放したくなんです・・・。」
そのお気持ちは、重々伝わりました。
「もう、先生しか頼れる人がいないいんです・・・。」
「心を入れ替えて、一生懸命、頑張りますので、
どうか、力を貸して下さい・・・。」
と何度も言って頂きました。
ボクだって、ボクだって、そんなありがたい言葉に対して、
何も思わないわけがありません。
「何とかならないものか・・・。」
と何度も何度も考えました・・・。
ただ、お伺いしたお借入状況から想定すると、
その方が任意整理をした場合、
月々の返済で約10万円は必要になりそうでした。
誰がどう考えたって、大きな大きな負担です。
やはり、易々とお受けするわけにはいきませんでした。
後日、その方から、ご連絡頂きました。
「家族とも相談して、やり繰りを考え直しました。
家族の協力も得られそうです。
だから、どうかご協力して頂けないでしょうか。
絶対に頑張りますので・・・。」
ボク
「それは良かったですね。
かしこまりました。
それでは、今一度、ご来所頂けますか?」
そして、改めて、ご来所頂き、改めて、お話しをし、
『ご家族を含め、一緒に頑張って頂く!』
という約束をしてもらって、受任させて頂きました。
ただ・・・、
ボクの内心は、複雑でした。
それは、ボクの中途半端な『優しさ』だったのかも知れません。
そのことに、自分自身も気付いていたのかも知れません。
情に流された・・・?
正直、それも、否定できませんでした。
「何とかしてあげたい気持ち・・・。」
「約束を信じたい気持ち・・・。」
もちろんです!
ただ、ボクには、その責任をとることは出来ません。
その責任を取るのは、ご依頼者さん自身なのです。
ボクの安っぽい『優しさ』が、
結果的には、ご依頼者さんにとっての不利益に繋がることもあるのです。
その不利益が、目の前に現れた時、
ボクは無責任にこう言うと思います。
「だって、ご自身が選んだんでしょう。
だったら、その責任は、ご自身でお取り下さい!!」と。
『優しさ』の先には、一体、何があるのでしょうか・・・。
「どうにか、どうにか、頑張って頂ければ・・・。」
受任させて頂いた後も、
緊張感をもって、手続きは進んでいきました。
各業者からの取引履歴がそろい、
お借入れの全体像が明らかになったときも、
改めて、ご来所頂き、改めて、今後のことについて話し合いました。
当初の予想通りですが、残念ながら、
調査の結果、お借入総額には大きな変動はありませんでした。
ご依頼者さんは、
それでも、それでも、任意整理をご希望されました。
「大丈夫です。頑張りますから!!」と・・・。
依頼者さんとボクは、改めて、約束を確認しました。
そして、一社、また、一社と和解を組んでいきました。
そして、一社、また、一社と返済が始まっていきました・・・。
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