2010.07.12更新
終止符・・・。
すみません。
今回は、完全に個人的な内容です・・・。
ボクは、朝起きると、とりあえずテレビをつけるのですが・・・。
昨日は、参議院の選挙もありましたし、
ワールドカップの決勝もありました。
相撲界や歌舞伎界(海老蔵さん)でも、
色々なニュースがあったようです。
ただ・・・・、
その中でも、特に衝撃的だったのが、
「つかこうへい死去」のニュースでした。
御年62歳。
みなさん、ご存知でしょうか?
「つかこうへい」さん。
そうそう、蒲田行進曲の原作家です。
以前、ブログでも触れましたが、
ボクは、大学在学中のときに学生演劇を始めました。
ただ、それ自体に、特に理由はありませんでした。
退屈な学生生活に嫌気がさして、
深くも考えず、演劇部のドアを叩きました。
「すいません、役者になりたいんですけどぉ・・・。」
当時の演劇部の部長さんは、ビックリしてました。
なんせ田舎の大学です。
そんな奴は、珍しかったんだと思います。
それまで、芝居や舞台なんて観たことはありませんでした。
正直、映画やドラマにも、そんなに興味はありませんでした。
今考えると、「突然、よくあんなアホなとこが言えたなぁ~」って思います。
と同時に、「相当、せっぱ詰まってたんだなぁ~」って思います(笑)
ただ、何でも良かったんです。
刺激が欲しかっただけなんです。
うっぷんを晴らしたかっただけなんです。
そんなことですから、始めてからも、大した目標もありませんでした。
「発声練習なんてクダラナイなぁ~」なんて思ったこともありました。
全てにおいて、完全にナメてました。
先輩から怒られることもありました。
ところがある時、当時のサークルOBから、
「つかこうへい」の存在を知りました。
当時、ボクが、「つかこうへい」に関して知っていることは、
映画の『蒲田行進曲』くらいでしたので、
その映画も、元々は有名な舞台作品だったことは知りませんでした。
「つかこうへい」
その存在で、ボクの人生は大きく変わりました。
「つかさん」の芝居には、ボクの望むもの、全てがありました・・・。
他人にとっては、“どうでもいい”ことだとしても、
自分にとって“大切なこと”であるならば、
“何事にも代え難い事”であるならば、
例え、世界を敵に回しても闘うことの必要性、
</stron g>
そして、その素晴らしさ・・・。
在学中は、幾つかの「つかこうへい作品」を演らせてもらいました。
その後、ボクは、芝居をするために上京したのですが、
その目的は、「つかさん」の劇団に入るため!でした。
いつか、いつか、「つかさん」の芝居に出てみたい!!
「つかさん」を知ってから、
ボクは、いつも、そのことを考えていました。
そのために頑張っていました。
「つかさん」の本は、ありったけ読みました。
「つかさん」の舞台は、可能な限り観に行きました。
「つかさん」の劇団の振付師のダンスレッスンにも通いました。
そして、もちろん、
「つかさん」の劇団のオーディションも何度も受けました。
が、何度も泣きました。
どうしても、入れてもらうことが出来ず、
ボクは、他の劇団で芝居をしていましたが、
それでも、いつも、いつも、「つかこうへい」でした。
他の劇団員からも、よく言われてました。
「お前、ほんと、「つかさん」好きだよねぇ~」って。
でも・・・、
どんなに強く思っても、どんなに頑張っても、
どうしても、どうしても、叶えられませんでした。
この仕事を始めてからも、
古くからの知人から、たまに言われます。
「もう、芝居はやんないの?」
「あれだけ入れ込んでたのに、もったいないじゃん」って。
ただ、ボク自身は、
仕事しながら、芝居をすることが想像出来ません。
仕事の合間に時間を見つけて、芝居の稽古をする・・・。
考えられません。
大袈裟な言い方かも知れませんが、
ボクにとって、芝居は、“聖域”なんです。
中途半端な状況でやるものではないんです。
全てを賭けないとダメなんです。
そんなの、本気で頑張っている人に失礼なんです。
もちろん、今のボクのご依頼者にとっても、失礼です。
でも、だからこそ、だからこそ、今のボクは、
今の仕事に全てを賭けることが出来るんだと思っています。
でも、心の底にはありましたよ。
今後、ボクが、この仕事を辞めたら、
また芝居のために、自分の全てを賭けられる時が来るかも知れないって・・・。
また、「つかさん」、「つかさん」って、
ガムシャラになれる日が来るかも知れないって・・・。
だって、
今でも、夢に出て来ますもん・・・。
今でも、セリフ、憶えてますもん・・・。
ただ、今朝のニュースを見て、
それさえも・・・。
どう転んでも、どうひっくり返っても、
叶わなくなってしまいました。
やり尽くした思い
未練がましい思い
ただただ、
とても大きなものが終わったような気がしてなりません・・・。
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